首都圏外郭放水路

　　　「首都圏外郭放水路」に行ってきました。

　　　「首都圏外郭放水路」とは？ものすごく簡単に説明すると地下に造られた人工の川です。

　　　大雨が降って小さな川が氾濫しそうになった時にこの施設の機能が発揮されます。

　　　具体的には、地上で溢れそうになった小さな川の水を吸い出し、この「放水路」に流して、

　　　氾濫の起きないような大きな川に水を放出する洪水防止施設です。

　　　「首都圏外郭放水路」は、日本の最先端土木技術の粋を集めて建設されており洪水防止

　　　施設としては世界最大級です。

　　　”調圧水槽”は地下トンネルから流れてきた水の勢いを弱め、スムーズに流すための巨大プールです。

　　　幅78メートル、長さ177メートル、高さ17メートルの巨大な空間に59本の柱が立っています。

　　　そしてこの巨大な柱は、1本長さ7メートル幅2メートル高さ17メートル、重さは500トンもあります。

　　　使用目的はかなり現実的なものですが、実際に地下深くにできたこの壮大なコンクリートの空間を目に

　　　すると、まるで地底の巨大な神殿を思わせる荘厳な空気を感じます。

　　　これらの柱がどの位の大きさかというと、真ん中あたりに人が見えるのが分かるでしょうか。

　　　この日は映画の撮影が行われていたため最下層まで降りることができませんでした、残念。

　　　首都圏外郭放水路の心臓部であるポンプ室。黄色い機械の中にはタービンやポンプが入っています。

　　　洪水流を調圧水槽から巨大ポンプを経て排水樋管に送る役割と水流を制御する役割を持っています。

　　　タービンは航空機用のガスタービンを改造した巨大なものです。機械の周りに付いている赤い物体は、

　　　万が一タービンが火事になったときに二酸化炭素を吐き出す消火設備のようです。

　　　ポンプ室の隣では何かを地下に埋め込む工事が行われていました。何なんだ。

　　　首都圏外郭放水路の水の流れは、洪水が起きそうなときに第2～5の立抗で水を吸い上げます。

　　　そして水は工区と呼ばれる地下の川を通って第1立抗に辿りつき調圧水槽を満たし、その後ポンプ

　　　で江戸川に排水されます。ちなみに上の写真は建設中の第五立抗です。

　　　第四立抗は見学可能でした。エレベーターに乗って地下へ。立抗そのものは深さ６０メートルです。

　　　各立抗を結ぶ工区（トンネル）。

　　　中小河川から流れ込んだ洪水が通る巨大な人工河川です。

　　　トンネルは直径10メートルで全長は６キロほどあります。

　　　首都圏の地下にこのようなものなものが建設されていたこと、高度な土木技術には正直驚きました。

　　　”調圧水槽”だけでも見学する価値は十分あると思います。興味のある方は是非。

　　　【見学について】

　　　【関連リンク】

　　　 G-CANS PROJECT　外郭放水路新地底文化創造計画